※これは最終話です。ネタバレを避けるため、若干の空白行があります。
初見の方は『妹に胸がない1』からお読みください。(リンクしています)
836 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2008/07/04(金) 19:54:42.17 ID:sXwqf6Nz0
妹「おねえちゃん」
兄「うん……」
妹「いやまあ、仕方ないと思うよ? おねえちゃん、自己認識が年頃の男の子だったわけだし」
兄「ううぅ……」
妹「にしてもまあ……どうしたもんだろうね」
兄「あうぅ……」
えっちぃ本を発掘した。
妹「ビニールどころか本屋の袋から出した形跡もなし。一読もしてないみたいだね」
兄「うん」
妹「不良ファッションをした阿呆が使う気もないくせにナイフを持ち歩くのと同じ?」
兄「……うん」
妹「じゃあまあ、捨てようか」
兄「えっ?」
妹「……何か不満が?」
兄「一度も読んでないのに捨てるなんてそんな……もったいない……」
妹「おねえちゃんおねえちゃん、なんか論点間違ってる。著しく間違ってる」
兄「でも……」
妹「いやその、あのね、おねえちゃん。これは悲しき男性諸氏がソロ活動を行って紙資源を無駄遣いするためにあるものなの。わかる?」
兄「そ、そうなの?」
妹「そうなの。だから、私たちが持ってても特に装備効果は得られないの。防御力増えないの」
妹「だから、はい。これでしばって玄関に――って、何をしてますか、おねえちゃん?」
兄「え? ゆ、ゆるかった……? えいっ!」
妹「きゅえー!」
兄「ええと……ここから股を通して背中に……」
妹「おねえちゃん、ストップ! 激しくストップ! 何かものすごく間違えてる!」
兄「えっ?」
妹「『縛り方百選』……また、ずいぶんマニアックなものを買ってたんだね、おねえちゃん……」
兄「は、恥ずかしくて、目の前にあったものをタイトルも見ないで手にとってたから……」
妹「いや、これをレジに持って行く方がずいぶんと恥ずかしいよ」
兄「そうなの?」
妹「紛れようもなく」
兄「そうなんだぁ……もっと常識を勉強しなきゃ!」
妹「……間違ってないような間違ってるような」
兄「わー……」
妹「……」
兄「わー、わー、わぁー……」
妹「おねえちゃんってさ」
兄「ひゃっ!? い、いたの?」
妹「大掃除のときにアルバムを開いちゃうタイプでしょ」
兄「そ、そうかも……」
妹「はい、そっちの本も渡す。私がしばるから、おねえちゃんが玄関まで運んで」
兄「はーい」
妹「……遅い」
妹「おねえちゃーん、遅いよー……って誰?」
兄「あ、幸。えっとね、このひとは消防署の方から来たひとで、消火器の点検と販売を――」
妹「もしもし、詐欺業者がうちに来てます。すぐとっ捕まえて」
兄「あ、もうお帰りですか? じゃあ、ちょっと待っていてください。今、印鑑とお財布を――」
妹「出さなくていいから」
兄「え?」
妹「おねえちゃんはね、もっと警戒心を持つべきだと思う」
兄「そうなの?」
妹「別に、おにぃだったときみたいにしろとはいわないけれど、今のおねえちゃんは警戒心が足りなすぎる!」
兄「ごめんなさい……」
妹「あー……んと、わかってくれればいい、よ」
兄「おわびに、幸の背中流してあげる♪」
妹「えっ? どこからそんな話が?」
兄「もうそろそろお風呂も沸いてると思うから」
妹「ええっ!? いつの間にお湯を!?」
兄「はい、バスタオルとお着替え」
妹「え、え、え、ええええええっ!?」
妹「なぜ私は昼間っからおねえちゃんとせまっくるしいお風呂にふたりして入っているのでしょうか。人生に疑問が尽きません……」
兄「?」
妹「いや、「何のこと?」って感じに小首を傾げられても可愛いとしか。可愛いとしか」
兄「さあ、幸。おねえちゃんの前に座って隙だらけの背中を見せなさーい♪」
妹「刺す気かっ!?」
兄「幸の背中はおっきいねー」
妹「そういわれて喜ぶ妹はたぶん少数派ですから」
兄「幸の背中はちっちゃいねー」
妹「そういわれてもなかなか喜びにくいですね」
兄「幸の背中は……ステルス性だねー」
妹「人類の枠を超越した覚えはありません」
妹「ふぅ……」
兄「どうかしたの?」
妹「いえその……なんだかんだで、ずいぶん『おにぃ』に依存してたんだなぁ、と思っただけです」
兄「そうなの?」
妹「ツッコみはおにぃの役割だったはずです!」
兄「え?」
妹「どうして私が毎日毎日ツッコみに!?」
兄「え、え、え?」
妹「腹立たしいのでおねえちゃんの背中を洗う振りをして後ろからその巨大なる球体を全力でもみます!」
兄「な、なんでやん?」
妹「努力は認めます」
兄「ねぇ、幸」
妹「なんですか、おねえちゃん?」
兄「うーん……」
妹「?」
兄「もっと、こう――ふらんすに行かない?」
妹「……フランク?」
兄「そう、それ!」
妹「……固いですか、私?」
兄「かなり」
兄「頼りないお姉ちゃんかもしれないけれど、がんばるから。幸に、『おにぃ』よりも頼りにしてもらえるように努力するから」
妹「……」
兄「ダメ……かな?」
妹「ううん。私も――『おねぇ』のこと頼れるようにならないと、いけないなって思っただけ!」
兄「うん♪」
妹「よぅし、スキンシップの一環と偽ってその巨大なる球体を――」
兄「幸、戻ってる戻ってる」
妹「おねぇ覚悟ぉおおおお!」
兄「きゃあ、きゃあ、きゃあ」
妹「お、おねえ――おにぃ、ダメだよ。寝てないと。体に悪いよ?」
兄「わたしは……」
妹「ね、寝よう?」
でも、もしかしたら
兄「わたしは、だれ?」
妹「お……おにぃ、寝よう?」
兄「わたしは……おにぃ……?」
でも、もしかしたら、これは
妹「……」
兄「わたしは、おにぃ……」
妹「……ぅ」
兄「わたしは、おに――」
妹「違うっ! おにぃじゃない! あなたはおにぃじゃないっ!」
迷わない。
迷えない。
もう嫌だ。
ダメダメ。
言っては。
いけない。
言うな言。
止まれ止。
「あなたはおねえちゃん! 私の、私の――たったひとりの姉よ!」
言ってしまった。
言ってしまった。言ってしまった。言ってしまった。
――今ならまだはぐらかせられる。
しない。
――今おねえちゃんを寝かしつければなかったことにできる。
しない。
――どうして、おねえちゃんが死んじゃうかもしれないのに!
死なない。
――どうして! どうして! 間違ってる! こんなの間違ってる!
間違ってない!
「……おにぃは?」
「え?」
声が変わった。
「おにぃは? お父さんは? お母さんはどこに行ったの!?」
「おねえ……ちゃん……?」
私につかみかかり、おねえちゃんは激しくまくし立てた。
「ねぇ! ねぇ、どうしたの! どこにいるの!?」
「お、ね……ちゃ……」
言うのか?
言っていいのか?
おねえちゃんに言――
「答えてよ――『幸』!」
頭が真っ白になった。
「い、今……なんて……?」
「どうしたの、幸?」
「今、私のことなんて言ったの!?」
「さ、幸……痛いよ……」
「あっ……」
姉の肩を握り締めていた手を離す。
「幸、答えて」
「……嫌」
ああ、そうだ。
こういうとき、おねえちゃんはすごく怖い顔をしていた。
「幸!」
「嫌よ!」
だから、上げられない。
顔を上げたら怖い顔を見てしまう。
「どうして!?」
「いや、いやいやいや、いやぁ!」
めをみたらこたえてしまいそうでいや。
こたえてしまったらおねえちゃんがまたいってしまいそうでいや。
「幸……」
「おねえ……ちゃん……」
目線まで降りてきた顔は、怒っていなかった。
「教えて――あなたのために」
心配げに、おねえちゃんは『私』を見ていた。
「おねえ゛ぢゃあああああああああああん!」
泣いた。
泣いた。
泣いた。
泣いた。
泣いた。
何日分も何ヵ月分もも何年分も泣いた。
どうして、なぜ、今になって私を見てくれたのか。
そんなことはもうどうでもよかった。
全部、全部、泣いた。
吐き出せるすべてを吐き出すために泣いた。
そして――
「お父さん、遅くなりました。お母さん、お待たせしました。おにぃ、ごめんね」
おねえちゃんは、そういって手を合わせた。
そうしてから三人を水とたわしで軽く洗い、線香に火をつけた。
一連の動作は静かで、つっかえることもなく、とても自然だった。
「大丈夫よ、幸」
くすっと笑って、おねえちゃんは私のほっぺたを軽くつついた。
「おねえちゃん!」
「ふふふっ」
はらはらとしていたのは私だけのようで、おねえちゃんは思ったよりもずっとずっと落ち着いていたみたいだ。
お盆は夏だから、暑いのは当然。
しかし、そう思ってもずいぶんと暑いお盆だ。
「おねえちゃん、暑いねぇ……」
「そうね……。お父さんたちのためにもう一回水を汲んできましょうか♪」
「賛成ー!」
楽しそうに甲斐甲斐しく『三人』の世話をするおねえちゃんを見て、誰かが言っていたことを思い出した。
――人間を弔うのは、残された人間が自分を慰めるためだ。
ならば、私はおねえちゃんが満足できるだけ、たくさんたくさん世話をさせてあげたい。
『三人』をきれいに。
きれい過ぎるくらいきれいに。
何度も何度も洗う――って
「おねえちゃんストップ!」
「え?」
「洗剤は使わないの!」
「えー」
それは、世話と違う。
「おねえちゃんだって洗剤で体を洗われたら嫌でしょーが」
「そういわれてみれば……」
いわれずとも気付いてほしい。
「だから、普通に水で――」
「でも、たわしは使うのよね?」
……確かに。
「私、ちょっと下まで降りてボディシャンプー買って来るから」
「待てぇ!」
それでも何か間違ってると思う!
「おねえちゃんは、もっとこう……常識を知るべきだと思うよぉ?」
「むぅっ! 失礼な!」
ふくれて見せても怖くない。
おにぃだったときよりもさらに怖くない。
ハムスターの威嚇の方がまだ怖い気がする。
「常識入れる分の脳みそ、こっちに入っちゃってるんじゃない?」
つん、とおねえちゃんの胸をつついてみせる。
「そ、そういうのはやめてってばぁ……!」
「あはははは」
この反応も、おにぃだったときにはないものだ。
ジュースの飲み方だって、ごはんの食べ方だって違う。
――でも、だからいい。
「おねえちゃん」
「なぁに、幸?」
「プールに行こう! かなづちを解消するんだ!」
「ええええええっ!?」
「もー、いつまでも泳げないままだとおにぃに笑われるよ?」
「ううぅ……がんばる……」
「きっと向こうも暑いだろうし、おにぃだって泳いでるだろうから」
プールの季節は、まだ続いている。
妹に胸がない
~完~
『妹に胸がない後日談』へ続く
514 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2008/07/04(金) 01:18:35.13 ID:sXwqf6Nz0
「さ、寝よう?」
「……」
「パジャマ、わかる? 着せてあげようか?」
「……」
「じゃあ、はい。腕を上げてー」
「……」
「うん、上手上手。次はちょっと右足貸してねー」
「……」
「はぁい、じゃあ左足ー」
「……」
「でーきたっと♪」
「……」
「おやすみ、おねえちゃん。寝て、起きれば――いつもどおりだよ……」
「……」
528 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2008/07/04(金) 01:28:06.26 ID:sXwqf6Nz0
何もかも、すべて忘れたい気分だ。
おねえちゃんは、吸い込まれるようにすぐに眠った。
いつもどおり、本当にいつもどおりに『落ちた』。
我ながら、ばかなことを言ったと思う。
思い出せるものならとっくの昔に思い出している。
そんなわかりきったことに、なんで踏み込んでしまったのだろう。
ここのところ、おねえちゃんをおねえちゃんらしく振舞わせることに成功してしまったからだろうか。
見た目が相応なものになって、中身も普通の女の子のように可愛らしくて――つい、無理をした。
「違うのに……わかっていたのに……」
そう、違うのだ。
あれは、強要されたから。
私に無理やり着せられたから。
おねえちゃんの意思でそうなったわけじゃあないから。
534 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2008/07/04(金) 01:33:10.82 ID:sXwqf6Nz0
本棚に何冊となく差し込まれているタイトルを見る。
精神分析。
フロイト。
ユング。
アドラー。
近代になって否定され始めたそれらだが、いまだに何人もの学者が追及している分野。
もちろん投薬を含めた治療だって存在するし、それにも手をつけた。
でも、四人が出かけたあの日から――おねえちゃんは、まだ、帰ってこない。
人格や認識についての本も一冊や二冊ではない。
私の本棚は、それで埋まっている。
それらのみで、埋まっている。
あの日。
あの日から、医者にひどい拒絶反応を示すようになった。
おねえちゃんは、白衣を見ることもできない。
あの日から、たびたび『落ちる』ようになった。
おねえちゃんは、アルバムを開くこともできない。
あの日から、おねえちゃんはおにぃになった。
おねえちゃんは、鏡を眺めることもできない。
あの日から、私はおねえちゃんになった。
おねえちゃんは――私を、思い出すこともできない。
おねえちゃんが、誰よりもおにぃを好いていたのは知っている。
二卵性双生児のもうひとり。
私が遅れたたった一年の間に何があったのか、と思うほどおねえちゃんはおにぃが好きだった。
でも、私は私だし、おにぃはおにぃだし、おねえちゃんはおねえちゃんだと思った。
――だって、『家族』なんだから。
裏切られたわけじゃない。
おねえちゃんは、裏切ったわけじゃない。
ただただ、純粋に。
悪意のかけらさえなく、純粋に。
そのことで私がどんな思いを抱くかさえ知らず、純粋に。
天秤に乗せて、『幸』よりも『友』を選んだだけなのだから。
ぬいぐるみを殴りつけた。
軽いそれはぽん、と弾んで床に落ちる。
命のない瞳はよどみのない黒で私に微笑みかける。
踏みつけた。
痛いよ、とおねえちゃんがいったような気がして、私はぬいぐるみを拾い上げ「ごめんね」と言ってほこりを払った。
本当に、何もかも忘れたい気分だ。
「おねえちゃんは思い出さなくていいの……このままでいいの……」
このまま、きちんと『女性』として生きる方法さえ覚えれば、それでいい。
名前を偽っても、社会には適合できる。
今はいなくとも、いずれ好きな男性もできる。
そうなったら、そのときにきっとおねえちゃんは『女性』であることを思い出してくれる。
「このままで、いいの……」
おねえちゃんは、このままでいい。
死んでしまうよりずっとずっといい。
私を見てくれなくても、それでも生きている。
あんなつらい出来事は思い出さなくていい。
思い出したら、おねえちゃんがどうなるかわからない。
「だから、思い出さなくていい……」
涙なんて嘘だ!
私は泣いていない!
あえなくったって平気だ!
「おねえちゃん……おねえちゃん……っ!」
「わたしは、だれ?」
「――えっ!?」
びっくりして振り向いた。
「わたしは、だれ?」
「どうして……?」
おねえちゃんがいる。
鍵を閉めなかった?
おねえちゃんが言った。
なぜもう起きている?
おねえちゃんが訊ねた。
「わたしは、だれ?」
「……」
うつろな瞳。
棒立ちで、腕は左右に垂れ下がるのみ。
口調も怪しく、まるで機械のように声を発する。
奇妙だ。
これまで見たこともない、異常な姿。
鬼安価のお時間ですw
1.>>561に腹筋100回を処す
2.その他(具体的に内容を)
>>575
※即死あり
さあ、楽しませてもらおうか!w
>>579
はぐらかそうとするもあまりの勢いについ…
200完了…
あぁ、>>586は
兄?に言い寄られて、ついはぐらかそうとするも
あまりの勢いとかなにやらに気圧されて妹がつい…
って意味なんで
『妹に胸がない7』へ続く
483 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2008/07/04(金) 00:51:01.05 ID:sXwqf6Nz0
愛は疲れたのか寝てしまった。
まだ家まで何駅もあることを確認して、自分の羽織っていたものをそっとかけてやる。
「おねえちゃ……」
寝言でそうもらしてそでにしがみついてくる愛に、ちょっと笑ってしまう。
「俺はおにいちゃんだってば」
窓から見える景色はすでに紅く染まっていた。
少し長居をしすぎたようだ。
カタコトと車体の揺れるままぼうっと遠くを見ていると、なんだか昔を思い出す。
父がいて、母がいて、俺がいて、妹がいる、そんな平凡な世界。
「懐かしいな……」
父は厳格だけれども子煩悩で、俺たちを甘やかしては母に怒られていた。
かといって、母が厳しかったかというと。いやいや、デレデレに甘い母親だった。
休日はというとどこかへ連れて行ってもらい、誕生日やクリスマスには両手に抱えきらないほどたくさんのプレゼントをもらった。
それが共働きであまり子供たちに時間をとることができない彼らのせめてもの気持ちだということは、ずいぶん経ってから気が付いた。
だって、そうと気が付かないくらいに俺たちは幸せだったから。
「懐かしい。うん、懐かしい……」
三度はんすうして、思う。
ひょろりとした背格好に気のよさそうな優しい目をした父。
実年齢よりも十は若く見えた、背の低い胸がぺったんこな母。
今はふたりだけれど、そのうちきっと五人で暮らせる。
――だって、かれらはびょういんにいる。
そう。大丈夫だ。五人で暮らせ――
……『五』人?
父、母、俺、愛。
あれ? 四人だ。
父、母、俺、愛。
あれれ? 四人だ。
父、母、俺、愛。
おかしいな? 四人だ。
父、母、俺、愛。
――ああ、またかずをまちがえた。ごにんだ。あってるじゃないか。
「どうも数学は苦手だ……」
いつからだろう、こんなに数学が苦手になったのは。
おかげで愛にずいぶんと苦労をさせている。
「ほんっと、俺ってだらしないよなぁ……妹ひとり支えきれないなんて」
肩に寄りかかる愛を見て、はぁ、とため息をついた。
「愛、愛。ほら、起きろって」
「んにゅ……?」
「乗り換え。降りないと帰れないぞ」
気持ちよさそうに寝ていたのを起こすのは少し可愛そうだったけど、仕方がない。
揺り起こすと愛は緩慢に返事をした。
「ふぁい……」
まったく、と思ったが、普段をかんがみればひとのことはいえない。
ふたりしてぱたぱたと持ち物を整理し始めた。
電車を乗り換えても愛は眠い様子で、何度も何度もあくびを繰り返している。
「ふあぁ……ごめん、おねえちゃ――おにぃ……」
「まあ気にするな。まだしばらくあるから寝ててもいいんだぞ?」
「うん……ふあ……ありがとう、おね――おにぃ……」
「ほら、これを肩にかけて」
「うん……おねえちゃん……」
おいおい、いくらなんでも間違えすぎだろう。
いくら俺が今日一日『おねえちゃん』をやったとはいえ、そりゃあないんじゃないか?
確かに、今着てる服だってワンピースで――そう、胸を押し込まないような感じの服だ。
持っているバッグも、量こそ入れど可愛らしさを失っていない女性向けのものだし。
靴だってこんな可愛らしい小さな小さな小さな小さな小さなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさな
ちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさな
ちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさなちいさな――
――よくこのおおきさのじょせいようのくつをあいはみつけてきたもんだ。
呆れたところに情熱を注ぐ妹だ。
「愛、起きてくれ」
「んむぅ……」
「ほら、愛。眠いのはわかるけれどついたんだ」
どうにかこうにか覚醒させて、ホームへと降りる。
すでに空は暗く、見上げれば雲のない天上に満月が顔を覗かせていた。
「愛、見てみろよ」
「……」
「ほら、月がすごくきれいだ。愛、見えるか?」
「……うん」
眠いのか、まだ愛の答えはいつもようではない。
「愛、大丈夫か? 気分が悪いならおにーちゃんがおんぶしてやるぞ♪」
冗談めかしてそう言った。
「……」
愛の表情がとたんに苦いものになった。
「愛?」
「……めてよ」
何かを小声でつぶやいた気がした。
「愛、本当に気分が悪いならおにーちゃんに任せろ。愛ひとりくらいおにーちゃんが背負って歩けるから」
そうまでせずとも、歩きながらしばらく話せば元気にな――
「やめてよっ!」
494 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2008/07/04(金) 01:00:02.78 ID:sXwqf6Nz0
「……えっ?」
愛が叫んだ。いや、怒った。
なぜ?
どうして?
「私は、愛じゃない! 私は、私は――っ!」
愛が愛じゃない?
愛は愛じゃない?
「おねえちゃんは、おねえちゃんは――っ!」
何が。
何で。
「……ごめん。なんでもない。帰ろう、おにぃ」
何を間違った?
「……ねぇ」
「な、なんだ?」
ああ、いかんいかん。どもってしまった。
こういうときは、年長者として落ち着いた態度で接してやらな――
――ねんちょうしゃではないけれど、あにとしておちついたたいどでせっしてやらないと。
「私は、誰?」
愛、が、変なこと、を。
「ううん、いいの。答えないでいい。無理だから。今のおねえちゃんには答えられないから」
何を、いって、る。
「ああ、私、何言ってるんだろう。ごめんね、混乱させて」
愛は、愛は、愛は、愛は、愛は。
「ほら、寝よう? おねえちゃん、疲れてるんだよ。だから、寝れば治るよ」
「ねれば、なおる……?」
ねよう。
「だから、お家に帰ろう? 大丈夫、おねえちゃんは私が守るから」
「かえる……」
かえろう。
「手につかまって。私の後ろを歩いていれば家につくから」
「つかまる、つく……」
つかまった。
「何も考えないでいいの。私は男でも女でもいいの。おねえちゃんが。おねえちゃんだけでも生きていてくれればそれでいいの。いいはずなの」
だきしめられた。
おにいちゃん、すき。
『妹に胸がない6』へ続く
249 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 16:19:23.57 ID:QsyxoDt20
妹「おにぃってさ」
兄「んー?」
妹「婦人服着ないよねー」
兄「……そりゃまあ、男だし」
妹「でも、体型的には婦人服の方が合うし、楽なんじゃないの?」
兄「まあ……確かに、楽だけど。ゆるいものを着る分には、別にどっちでも」
妹「ふーん」
妹「でもさ」
兄「何?」
妹「わざわざ買い物のときだけ婦人服で、家に帰ってきてからいつもの格好ってのはどうなのかなぁ、と」
兄「う、うるさいな。……ちょっと今月苦しいから仕方ないんだよ」
妹「そうなの?」
兄「そうなの!」
妹「……うーん」
兄「?」
妹「商店街でもらった補助券でくじを引いたんだわ」
兄「うん」
妹「ウォータースプラッシュワールド招待券、大当たり~!」
兄「おおおっ!?」
妹「交通費、どうしようか?」
兄「うーん……」
・ウォータースプラッシュワールド
巨大遊園施設。
施設は大きくわけて二種類。遊園地施設とプール施設。
遊園地施設はコースター系が多く、プール施設は人口海岸などが売り物。
作中ではほんの一ヶ月前にプレオープンしたばかりで、現在は一般入場を行っていない。
TVCMを中心に幅広いメディアで報じられており、遊園施設としては日本最大級とされている。
さて、どうする?
1.行かない
2.遊園地側で遊ぶ
3.プール側で遊ぶ
4.その他
>>265(即死あり)
3
>>265
把握した。
妹「来たね、ウォータースプラッシュワールド!」
兄「来たぞ、ウォータースプラッシュワールド!」
妹「交通費に飲食費その他もろもろ、捻出完了!」
兄「そのあと今月はパンの耳!」
妹「さあ、遊ぼう! 今死んでもくいが残らないくらいに!」
兄「任せろ、兄はすでに覚悟を済ませたぞ!」
妹「突貫!」
兄「うぉおおおおお!」
妹「ヘイ、おにぃ。そこまでだ!」
兄「い、嫌だ! 頼む、行かせてくれ!」
妹「おにぃは動く権利を失った。後は私に身を任せ、引きずられるといい」
兄「嫌だ、嫌だぁああああああ!」
妹「はいはい、おとなしく女子更衣室に来る」
兄「水着なんて下に着てきたからいいのー! 五秒で出られるからいいのー!」
妹「おにぃ、駄々こねないの!」
兄「うわーん」
兄「ううぅ……でも、プールだ! 巨大プールだ!」
妹「そうだよ、おにぃ。プールだよ! 巨大プールだよ!」
兄「兄はまず超高高度滑り台に行きたいぞ!」
妹「よし、行こう、おにぃ!」
兄「突撃ぃ!」
妹「うりゃあああああ!」
回りたいプール施設募集
>>272
王道のウォータースライダー
兄「おおおおおおぉ、高い。高いよ!」
妹「高い、高いねおにぃ!」
兄「怖いからパス!」
妹「逃がさん!」
兄「武士の情けを!」
妹「武士はそんなに情けなくない!」
兄「そこをなんとか!」
妹「道連れがいないと私が怖い!」
兄「うわ、ひどっ」
妹「突撃ぃいいいいい!」
兄「きゃあああああああ!」
ウォータースライダー(標高100m)
ぐはっ!?
んじゃ底付きの浮き輪に乗って上から下るやつ!
兄「怖楽しい!」
妹「何その造語!?」
兄「怖かったけど楽しかった! 略して怖楽しい!」
妹「ようし、慣れたならば次だ。底の付いた浮き輪にのって上から下るやつ行くぞー!」
兄「施設関係者のネーミングセンスわかんないよぅ、わかんないよぅ!」
妹「いざ出陣!」
兄「鎌倉ぁあああああ!」
兄「隊長!」
妹「なんだ、隊員!?」
兄「人数が少ないおかげで並ぶ時間が短くて助かりますね!」
妹「同感だ!」
兄「あと、隊長!」
妹「なんだ、隊員!?」
兄「プール際で走るのはやめましょう!」
妹「転びそうになったか!?」
兄「いえ、あんまり走ると胸が痛いです!」
妹「却下ぁ!」
兄「慈悲をー。仏の慈悲をー!」
妹「仏はこんなに胸が貧しくない!」
兄「確かに」
妹「納得するなぁあああああああああ!」
兄「……隊長」
妹「……なんだ、隊員?」
兄「目が……回りました……」
妹「奇遇だな……私もだ……」
兄「流れるプールでゆっくり流されましょうか……」
妹「その提案には賛成だー……」
兄「うーん、気持ちいい……♪」
妹「ゆーらゆらー」
兄「いるかさんにつかまって、ぷーかぷかー♪」
妹「ゆーらゆらー」
兄「流れていく~♪」
妹「がぼぼっ!?」
兄「あ、沈んだ」
妹「なぜ滝があるっ!?」
妹「はあ」
兄「ゆえに俺はいるかさんとたゆたう。この瞬間、このいるかさんはひとり乗りとなったのだ!」
妹「……えい」
兄「ぶごぁっ!?」
妹「ようこそ沈没者の領域へ」
兄「おぼれるわっ!」
三角波の出るプール
妹「にしても、おにぃ、ぜんぜん泳げないの?」
兄「……昔はちゃんと泳げたと思ったんだけどなぁ」
妹「今はぜんぜんだよね」
兄「うーん……体が忘れちゃったのかな?」
妹「どーなんだろ?」
兄「どうなんでしょ?」
妹「まあいいや、次行こう! 三角波の出る沈没プールへ!」
兄「普通に潮流プールといいなさいな」
兄「……荒れ狂ってるぞ?」
妹「波打ち際が浸食されてる!」
兄「これ、遊泳できるのか?」
妹「サーファー用かな?」
兄「いずれにしても俺は無理そうだ」
妹「そうだねぇ」
兄「しかたないな――」
兄「――次行こう、『愛』」
妹「おねえちゃん」
兄「……あのなぁ、そりゃ場所が場所だけど。あんまり姉姉いうなよ。俺は男だぞ?」
妹「ごめんなさい……おにぃ」
兄「まあ、わかってくれればそれでいいさ。じゃ、次はこの流れないプールってのに!」
妹「流れてないね」
兄「流れてないな」
妹「ものすごーく粘性が高い液体のプール……」
兄「これってプールなのか?」
妹「水じゃないよね」
兄「でも、温水プールってのもあるよな?」
妹「うーん……」
兄「うひゃっ!?」
妹「ひゃあっ!?」
兄「こ、これは……足の指の隙間にむにゅうっと……」
妹「き、気持ち悪いようないいような……」
兄「そ、底なし沼にはまったような感じだ……」
妹「泳げないー泳げないー」
兄「動きがものすごく緩慢にー」
妹「出られないー出られないー」
兄「ううぅ……なんかまだむにゅらっとした感触が……」
妹「ひどい目にあった……」
兄「それに比べて温水プールはいいねぇ」
妹「はー、びばのんのー♪」
兄「風呂じゃないけどね」
妹「いい湯じゃー♪」
兄「手ぬぐいは湯につけちゃダメだ!」
妹「おにぃ、銭湯でもないから」
兄「よし、じゃあお昼にしよう」
妹「そうだねー」
兄「軽食ばっかりでも、なぜかカレーはあるんだよな」
妹「どうしてだろうね?」
兄「作るのが簡単ってのはわかるが……それにしても場所を問わずにカレーは存在するよなぁ」
妹「酢豚のパイナップル並みに疑問だね」
兄「それは不可能命題だ」
妹「じゃ、買ってくるね」
兄「ほい、カードキー」
妹「行ってきまーす」
妹「えっと、ナポリタンふたつとメロンソーダふたつお願いします」
妹「あ、名前は――友と愛です」
このあと遊ぶプールを三つほどー募集
足がつかないくらい深さがあるプール。
2~3mくらいの
25メートル
バブルジェット湯船
あの、かなり水流が強くて小さなボードでサーフィンみたいのできるやつ
http://www.jozankeiview.com/lagoon/index.html
これ。
>>325
妹「深いプールだけど……いいの?」
兄「泳ぎの練習をするなら足が付くようなところではダメだ! 自分を追い込まねば!」
妹「じゃ、手を離すね?」
兄「待ちたまえ、物事には順序というものがぼぼぼぼっ」
妹「浮上ー」
兄「ぷはぁあああ」
妹「ご感想を」
兄「……浅いところ行こう」
>>326
妹「はい、じゃあまずイルカさんにつかまってください」
兄「うん」
妹「床を蹴って、そのまますーっと流れてみてください」
兄「こ、こう?」
妹「で、そのまま足をばたつかせて全身」
兄「わ、わ、わ、進む進む!」
妹「……歩くより遅いけどまあ、バタ足っぽくはなったかな」
>>327
妹「締めはやっぱりお風呂だよねぇ……」
兄「風呂じゃあないんだが……まあ似たようなもんかぁ……」
妹「水流強化!」
兄「あばばばば!」
妹「おお、おにぃが流されて行く」
兄「バタ足バタ足」
妹「効果がほとんどない!」
兄「……」
妹「ほら、おにぃ、早く帰ろう」
兄「うん……」
妹「気になるのはわかるけれど、また今度にしよう?」
兄「うん……」
妹「……まあ、今度来たとしても最後に回すけど」
兄「何かいった?」
妹「ううん、何にも」
兄「そっか……乗りたかったなぁ、ミニサーフィン」
妹「……確実におぼれると思うし」
「え? ああ、あそこの家の双子さんね」
「ご存知ですか?」
「そりゃあねぇ、有名だからな」
「なるほど」
「確か……友君と愛ちゃんだったっけか?」
「そういう名前のはずです」
「ちっちゃいころは――まあ、ちっちゃいころしか知らないんだが――可愛い兄妹だったよ」
「そうですか」
「だなぁ。妹がものすごいおにいちゃんっ子で、どこに行くにもすぐ後ろをくっついて歩いてた」
「それはそれはほほえましい光景ですね」
「ほほえましかったねぇ。妹の方はってーと、人見知りしてたのか、まあ他人が苦手みたいだった。でも、兄貴の方はってーと、表で遊ぶのが好きな子でねぇ……だもんだから、妹はぴったりと兄貴にくっついてた。もうぴっっったりと」
「……幸せそうな光景ですね」
「ああ、可愛らしい姿だったよ」
「ありがとうございました」
「いやいや、いいってことよ! それよりどうだい? このスイカ! ひと玉持ってきなよ!」
「では、買わせていただきます」
「毎度ぉ!」
※以上で、最低限のヒントは出し終えました。ただし、最低限なので答えを導くにはある程度の補完をしないと無理でしょう。
それでは、問題です。
Q1.『兄』は誰?
Q2.『妹』は誰?
Q3.『兄』はどうなっている?
タイムリミットは三日目突入時点まで。
正解だとハッピーEND方向に行く予定。
ある程度までだとそこそこのEND。
ぜんぜんだと死亡END。
死亡率はたぶん40%くらい。
では、がんばってくださいw
『妹に胸がない5』へ続く
※意外とあっさり解かれてしまいました。
兄「あの……」
妹「なーに、おねえちゃん♪」
兄「明らかに布地が少ないんだが……」
妹「足りない?」
兄「足りない足りなすぎる! ほとんど水着じゃん!」
妹「じゃ、はいコレ」
兄「……蝶ネクタイ?」
妹「あと、うさぎさんの耳もあるよー」
兄「バニーガール!?」
妹「お気に召さない?」
兄「そんなの着て街中あるけるわけないだろぉ……」
妹「じゃあ、これなんかどうかな?」
兄「あ、これなら」
妹「オプションとしてエプロンとヘッドドレスがつきまーす♪」
兄「……待て、これはなんだ?」
妹「メイドこすちゅーむ?」
兄「普通のを出せ、普通のを!」
妹「そういわれても、ここ専門店だし」
兄「……専門店?」
妹「こすちゅーむぷれい用服飾専門店」
兄「え?」
妹「店長さーん、出番ですよー」
兄「うわ、ごっつい物体が!?」
妹「かかれー♪」
兄「ぴぎゃああああああああああ」
妹「行けっ、そこだー! もっとだ、もっと脱がせるんだー! 赤裸々に! 赤裸々に!」
兄「お前は何をいっているぅううううううううううう!」
兄「あうぅう……」
妹「ごふっ! な、なんて破壊力……っ!」
兄「嫌だっていってるのに……無理やり……」
妹「落ち着くのよ私。心の中の獣を目覚めさせてはいけないわ!」
兄「くすん……」
妹「……おにぃ、「ご主人様」って私のことを呼んでくれる?」
兄「嫌」
妹「ツンデレ! ツンデレメイド!」
兄「デレてないデレてない」
妹「あああもうダメ、世間に顔向けできなくてもいい、おねえちゃああああ」
兄「俺は兄だぁあああああ!」
妹「おぅけぃ。落ち着いたわ」
兄「そ、そうか」
妹「私の目の前にいる妖精さんは、図らずもメイドさんなだけで、おにぃとのかかわりがあるのよ」
兄「日本語で頼む」
妹「じゃ、次の目的に行きましょー!」
兄「まだあるのぉ?」
妹「着替えしかしてないじゃない。ほらほら、歩く歩く」
兄「ろ、ロングスカートって足に絡むのに股下に何もないからなんか変な感じで……」
妹「そのうち慣れる! はいはい、歩く歩く!」
兄「ひ、ひっぱるなぁ!」
兄「カラオケ……?」
妹「そ、カラオケ。期待はずれだった?」
兄「べ、別に期待なんてしてないけど……こんな格好で引っ張ってくる意味があるのか?」
妹「ある!」
兄「?」
妹「私には常日頃から疑問だったことがひとつございまして」
兄「何だ?」
妹「おにぃって、アニメの好きだよね?」
兄「まあ人並みには」
妹「……映画直後に数時間語れる人間を人並みというかはさておいて、まあ好きだ、と」
兄「うん」
妹「でも――オープニングとかエンディングって避けてるよね」
兄「うっ!」
妹「どうしてかな?」
兄「それはその……あんまり本編以外を見るのが好きじゃなくて……」
妹「私はとある仮説をぶち上げました!」
兄「仮説」
妹「そう、仮説。ずばり――おにぃは女性歌手の曲を自分が歌えてしまうかもしれないことに恐怖している!」
兄「ううっ!」
妹「それが大好きなアニメの主題歌ともなれば、一度覚えてしまえば人前で口ずさんでしまうかも!」
兄「うううううっ!」
妹「……というわけで、歌っちゃおー♪」
兄「いーやぁあああああ! 日常生活まで侵略するなぁああああ!」
妹「はい、マイク」
兄「あうぅ……」
妹「ちなみに、三時間とってあるからじーっと待ってても終わらないよー♪」
兄「お、お前は歌わないのか?」
妹「私は聞きに来たから歌わなーい♪」
兄「あぅ……」
妹「はい、あきらめて歌う歌うー」
兄「はぁ……じゃあ、一曲だけ」
妹「まず一曲ね。じゃあ、コレから――」
兄「朝おきて食べて寝る お昼も食べて寝る お夕飯の前にも 後にも食べて寝る♪」
妹「ひゅーひゅー!」
兄「日向で寝転がる 大きく伸びをする お日様が沈む頃には 目が覚めてまた寝る♪」
妹「ぴゅーぴゅー!」
兄「お空が暗いときには 誰かにじゃれ付いて♪」
妹「おなかがすいたときには ねだって擦り寄って♪」
兄・妹「「また明日 遊ぼうね 笑顔でおやすみ♪」」
兄「いえっす!」
妹「わーわー♪」
兄「二番行くぞー!」
妹「行け行けごーごー!」
兄「はぅううううううううううううぁああああああああ」
妹「すばらしい熱唱でした、おねえさま」
兄「おねーさまいうなー……」
妹「戸惑ったのは一曲目を歌い出すまででしたねぇ」
兄「あぅううううううう」
妹「いやー、おにぃって歌もうまかったんだねー」
兄「いうなぁ!」
妹「なんていうかな、感情がこもってた。曲とか作品に対する愛がみなぎってたよ」
兄「うあぁああああああ」
妹「『映画版ハム次郎セカンド』のエンディングテーマでは、感動してちょっと目頭が熱くなったもん」
兄「俺は今、泣きたい……」
妹「私が思うにね」
兄「ん?」
妹「おにぃは固すぎるんだよ」
兄「固い……か?」
妹「うん、容姿――まあ声もだけど――をコンプレックスにしすぎてる」
兄「……」
妹「もっと肩の力を抜いていいんだよ。きっと」
兄「そうなの……か?」
妹「そうなの。私はおにぃが男性でも女性でも構わないよ。どっちでもおにぃだもん」
兄「……難しいな」
妹「頭も固いなぁ、おにぃは♪」
妹「というわけで、アイスを食べましょー!」
兄「なぜに!?」
妹「女の子といえばスイーツ。スイーツといえば女の子。語尾に笑が付こうと付くまいと、我々は甘いものが大好きなのです」
兄「そういうものか?」
妹「行ったみたいと思ったことない、スイーツ専門店?」
兄「うっ、あの店内みっしり女子が詰め込まれてる場所か……」
妹「おいし~いアイスを出してくれるお店があるんだけれど、行かない?」
兄「ううっ!」
妹「こういうときでないと行けないよねー。チャンスだよー。ほらほら~」
兄「じゃ、じゃあ……今回だけ……」
妹「甘いものに弱いおにぃも可愛いなぁ」
兄「甘っ! そして、うまっ!」
妹「おいしいでしょー」
兄「何コレ!? 本当にアイスか!?」
妹「アイスですよー」
兄「うーん、うまい♪ おかわりがほしくなっちゃうな♪」
妹「……私としては、もうちょっと恥らって『甘いものにニコニコしたいところを抑え気味に、でも妹に気を使ってそれなりにはおいしいと表現をしてみせる。しかし本心がバレバレ』というのが望ましいのですが」
兄「食べないならもらうぞー?」
妹「食べます食べます!」
妹「次は小物雑貨店です」
兄「小物雑貨?」
妹「アクセサリーを見に行ってもいいんだけれど、さすがに予算が……」
兄「なるほど」
妹「小物雑貨はあんまり拒否反応出ないんだね」
兄「雑貨だろ?」
妹「うーん……雑貨は雑貨なんだけれど……」
兄「?」
妹「まあいいや、説明しにくいから。行ってみればわかるよー」
兄「ごちゃごちゃごちゃごちゃっとしてるな」
妹「ごちゃごちゃごちゃごちゃっとしてるのは小物雑貨店の宿命です」
兄「結構男性客もいるみたいでほっとした」
妹「あ、おにぃが行くのはこっちのコーナー」
兄「ん?」
妹「ぬいぐるみコーナー♪」
兄「……そ、そうか」
妹「わー、新商品入ってるー」
兄「……それはよかったな」
妹「ほらほら、ドリラックマ。弩級のリラックスをあなたに提供して永眠しかけるところまで行かせてくれるリラックスグッズだよー」
兄「……ふ、ふぅん」
妹「くじらのぬいぐるみー♪」
兄「ううっ!」
妹「ふかふかふかふかー♪」
兄「ああっ……」
妹「ふかふかりたいですか?」
兄「ははは……何をいうんだね、君は。ぼかぁ男ですよ。ぬいぐるみなんて興味があるわけ――」
妹「ふかふかふかふかー♪」
兄「……はっ! 意識が!」
妹「おにぃはコレなんてどうかな?」
兄「んっ……?」
妹「某キツネムスメーのぬいぐるみ。漫画のキャラだから知ってるよね?」
兄「はうっ!」
妹「……」
兄「じゅるり……」
妹「……ほしい?」
兄「べ、別にほしくないぞ!」
妹「じゃあ仕方ないね。ここは出ようか。今すぐ」
兄「えっ……?」
妹「触りたくないんでしょ? 見たくもないんでしょ? こーんなさわり心地のいいかわいーいものなのに」
兄「ああっ……あああっ!」
妹「……ほしい?」
兄「す、少し感触を確かめたいだけだ!」
妹「じゃあ、はい」
兄「ふかふかふかふかふかふかふかふかふかふかふかふか♪」
妹「わー」
兄「すりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすり♪」
妹「全力だー」
兄「ああぁ……可愛い。可愛すぎるぅ……んー、ぎゅっ♪」
妹「ぐふぁ! あ、あんたが一番だ……っ!」
兄「ね、ねぇ、買って帰っちゃ……ダメ?」
妹「あああああ、口元にぬいぐるみを持ってきてそのお願いは! そのお願いポーズはぁ!」
妹「はっ! 財布の残高がゼロに!」
兄「ふかふかー♪」
妹「おにぃ、楽しかった?」
兄「うん、すっごく♪」
妹「わー、ご満悦だー」
兄「ふっかふかー♪」
妹「はぁ……まあ、おにぃが楽しかったならいいや」
兄「……楽しくなかったの?」
妹「私も楽しかったよー。恥ずかしがるおにぃとか照れるおにぃとかやたらめったら可愛いおにぃとか見れたし」
兄「全部俺かっ!?」
妹「えへへー♪」
兄「まあその……礼代わりじゃないけれど、夕食は期待していいぞ」
妹「ホント? わーい!」
兄「じゃ、戻って買い出しに行くか」
妹「あ、待った待った。この格好のまま行こう」
兄「……なんで?」
妹「絶対負けてくれる!」
兄「ないない」
妹「なくないって!」
兄「客の容姿に商売してるわけじゃないんだ。変わるわけないだろ」
妹「まあまあ、試してみればわかるって」
兄「……この商店街は、ダメかもしれない」
妹「たいりょーたいりょー♪」
妹「ふかふか」
兄「?」
妹「ぺたぺた」
兄「何を比べてるんだ?」
妹「……えいやっ!」
兄「ひゃあんっ!?」
妹「くっ、この重み、ふかふか具合……なんというなんという!」
兄「な、な、な、何すんだ、いきなりっ!?」
妹「いやー、商店街でよく負けてもらったなぁ、と」
兄「……まあな」
妹「私も使ってたんだよね、あの商店街」
兄「……」
妹「それ以上はいわなくてもいいよね?」
兄「な、なんかごめん……」
妹「同情するなぁっ! うわーん」
※>>243では最初、ぬいぐるみと妹の胸の感触を比べていました
しーえんー
妹「なぜかー、私のーお胸ーは育たないー♪」
兄「ご愁傷様です」
妹「殺すなー」
兄「しかし、あってうれしいものか? 邪魔なだけだぞ、コイツ」
妹「くっ、上位者の余裕かっ!」
兄「そういわれてもなぁ……年頃になれば放っておいても膨らむものだろ?」
妹「そうだよねっ! そう、きっと私はまだ未成熟なだけ、おにぃとの身長とか気にしちゃいけない気にしちゃいけない気にしちゃいけない……」
兄「身長……。身長のことは気にしちゃいけない気にしちゃいけない気にしちゃいけない……」
妹「おにぃってさ」
兄「んー?」
妹「婦人服着ないよねー」
兄「……そりゃまあ、男だし」
妹「でも、体型的には婦人服の方が合うし、楽なんじゃないの?」
兄「まあ……確かに、楽だけど。ゆるいものを着る分には、別にどっちでも」
妹「ふーん」
『妹に胸がない4』へ続く
- 121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:02:55.35 ID:QsyxoDt20
- 兄「眠い」
妹「そうだねぇ」
兄「なんでこんな時間から人間は活動しないといけないのだろうか」
妹「どうしてだろうねぇ」
兄「眠い」
妹「そうだねぇ」
兄「なんでこんな時間から――」
妹「ほら、学校ついたよー」
兄「うに?」
- 122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:07:45.56 ID:QsyxoDt20
- 妹「おにぃは起動するまで時間がかかるねぇ」
兄「そうかなー?」
妹「そうだよー」
兄「そうかー」
妹「うん」
兄「眠い」
妹「本当に朝弱いねぇ」
兄「朝と月曜日の強さはアメリカをもしのぐんだ」
- 123 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:13:29.64 ID:QsyxoDt20
- 妹「やほー、先生」
兄「うぁうー……」
妹「あー、兄がまともに起動していません。斜め四十五度いってもいいっすか? カキーンと」
兄「あぅあー……」
妹「愛のムチなので、体罰にはならないと存じ上げます!」
兄「ぐぅー……」
妹「むぅ……先生がおにぃに無駄に甘い……」
- 126 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:21:26.65 ID:QsyxoDt20
- 妹「そして、なぜ君らもおにぃに甘いー!」
兄「すやすや……」
妹「その毛布、どっから出した!」
兄「くー……」
妹「枕がロッカーから!?」
兄「むにゃむにゃ……」
妹「乳すら出していないというのにこのちやほや具合……我が兄ながら恐るべきひとよ……!」
- 128 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:26:10.39 ID:QsyxoDt20
- 妹「ということは、顔のつくりだろうか?」
兄「くかー……」
妹「むにょーん」
兄「ふがー……」
妹「みょーん」
兄「ふががー……」
妹「うーん、これはこれで面白い」
兄「ふがぁー……」
妹「そして、ちっとも起きないおにぃもすごいね」
- 129 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:29:02.06 ID:QsyxoDt20
- 兄「あーよく寝た」
妹「昼休みなんですが」
兄「いただきまーす」
妹「よく食べるね」
兄「健康は三食を三度三度きちんといただくところから始まるのだ」
妹「そんなもんかなぁ」
兄「食休みにお昼寝ー♪」
妹「寝すぎ寝すぎ」
- 130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:35:23.09 ID:QsyxoDt20
- 兄「着替えはつらいなぁ」
妹「ホントにねぇ」
兄「別に制服のままでもいいと思うんだ」
妹「いや、さすがにおぼれるから」
兄「んじゃ、俺は体育館だから」
妹「プール行ってきまーす」
- 132 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:38:14.62 ID:QsyxoDt20
- 兄「見事、スリーポイントで逆転勝利!」
妹「おー」
兄「いやぁ、あのときの俺の雄姿を見せたいくらいだね」
妹「水泳は競技がスピード一辺倒だからそういう話を聞くとちょっと損してる気分」
兄「でも暑い。湿気がものすごい」
妹「夏だねぇ」
兄「夏だなぁ」
- 133 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:41:32.10 ID:QsyxoDt20
- 兄「ううぅ……」
妹「おにぃ、どしたの?」
兄「すっきりしない……」
妹「何が?」
兄「体育後、きちんと汗を拭いたつもりだったんだけど……」
妹「だけど?」
兄「その、胸の下って脇の下よりも拭きにくいんだよ……」
妹「……」
兄「なんか蒸れてきてううぅ……」
妹「先生、おにぃがトイレです」
兄「えっ!?」
妹「存分に拭いてこぉおおおおい!」
- 135 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:47:19.37 ID:QsyxoDt20
- 妹「貧乳はステータスなんかじゃない! 単なる負け惜しみよ!」
兄「なんかわからないけどごめん」
妹「あの牛乳娘め……「モップは苦手なのよぉ。あ、あなたにはわからないわね。うらやましいわぁ」などと得意げに……」
兄「あれで牛なら俺はいったいなんなんだ……?」
妹「しゃらっぷ、地球外生命体!」
兄「哺乳類の枠さえも飛び越えたっ!?」
- 136 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:49:48.81 ID:XBUOHrVBO
- 支援だhttp://imepita.jp/20080703/064990
140 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 01:57:25.81 ID:QsyxoDt20 - 妹「あ、新刊出てるんだった」
兄「本屋か、俺も行く」
妹「ところでさ」
兄「ん?」
妹「おにぃってぐらびああいどるとか必要なの?」
兄「……『必要』って言葉がものすごく引っかかるのだがあえて普通に答えると、俺の人生で特にいいことにも悪いことにもかかわりそうにないものです」
妹「そっか、鏡が一枚あれば自給自足できるもんね……」
兄「俺の名誉のために小一時間説教をしてもいいよな?」
- 141 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:00:00.81 ID:QsyxoDt20
- 妹「ほらほら、おにぃ~えっちぃあいどるさんだよ~」
兄「やめい」
妹「おにぃ、こっちにも水着のきわどーいひとが~」
兄「やめんか」
妹「挿絵付きえっちぃ小説『狙われたサブ~菊の花を散らす~』」
兄「お前とはじっくり腰をすえて話し合う必要があるようだな」
- 142 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:03:54.23 ID:QsyxoDt20
- 兄「ただいまー」
妹「ただいまーくつー!」
兄「ぷはぁー、開放感っ……♪」
妹「はいはい、脱ぎ散らかさない脱ぎ散らかさない」
兄「洗濯機洗濯機」
妹「ほら、シャツもさっさと入れる入れる」
兄「あーい」
妹「手洗いとうがいもちゃんとしてよね!」
- 143 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:05:05.14 ID:QsyxoDt20
- というわけで、学校短め、兄妹のみ。
なんかお題があれば地味に消化。
- 144 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:07:34.09 ID:XBUOHrVBO
- >>143うでまくら
- 145 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:10:26.28 ID:QsyxoDt20
- >>144
合点承知
- 148 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:13:18.00 ID:QsyxoDt20
- 兄「おーい、ちょっと聞きたいんだけどさぁ!」
妹「くぅ……」
兄「なんだ、寝てたのか」
妹「すぅ……」
兄「洗濯物をたたみながら、正座のままよりかかるものもなしに、確か五分前まで起きていたのにもかかわらず――寝てたのか」
妹「ぐ、ぐぅ……」
兄「じゃあ仕方がない。この兄君様は居間で寝こける妹君を放置はできないので毛布でも持ってきて一緒に寝てやろう」
妹「す、すぴー……」
兄「……早く目が覚めた方が楽だぞー」
妹「む、むにゃむにゃ、もうたべられないよぅ」
兄「おなかいっぱいか、そうかそうか。そうだろうな」
妹「と、戸棚のクッキーなんて知らないなぁ。ぐぅぐぅ」
- 150 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:20:38.47 ID:QsyxoDt20
- 兄「……まあ、別に怒っちゃいない」
妹「ぐぅ……?」
兄「寝たままでいいや。独り言を口にしようじゃないか」
妹「ぐぅ……」
兄「あのクッキーはな、お前にやろうと思って作ったものだ」
妹「……」
兄「TVで作り方をやっていたクッキーで、あれは去年の今頃お前が食べたいといっていた」
妹「……」
兄「つい最近になってレシピ本が出てな、それで作ったんだ」
妹「……」
兄「いろいろと……家事を押し付けてしまってすまないな」
妹「……」
兄「ふがいない兄で悪かった」
妹「む、むにゃむにゃ、おにぃちゃんはたくさんたくさんがんばってるよ。だいすきだよ。むにゃむにゃ」
兄「……ありがとうな」
妹「ひぇ!?」
兄「毛布はあるが、枕がない。部屋までとりに行くのはめんどくさくてな」
妹「……うん」
兄「ま、ゆっくり寝よう」
妹「……うんっ♪」
- 152 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:25:07.21 ID:QsyxoDt20
- 妹「目が覚めると、そこは胸枕でした」
兄「すまん」
妹「抱き枕代わりにされていたらしく、私の頭にはおにぃの両腕が絡んでいました」
兄「とってもすまん」
妹「ぎゅうっと抱きしめられて窒息しそうになってもがくと、おにぃは起きてものっそい金切り声を上げました」
兄「激しくとってもすまん」
妹「何が悲しくて妹たる私が兄に痴漢扱いされなくてはならんのですかっ!?」
兄「ごめんなさい」
妹「おっぱいおばけめ、成敗してくれるー!」
- 154 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:33:57.54 ID:QsyxoDt20
- 兄「あのさぁ……」
妹「なぁに、おねえちゃん♪」
兄「ほんっとーに、悪かったと思ってるんだ」
妹「え、何のこと? 私わかんないなぁ♪」
兄「も、もう帰ろうよぉ」
妹「やだぁ、おねえちゃんったら。まだなぁんにも買ってないじゃない♪」
兄「ううぅ……」
妹「おねえちゃんってゴスロリもよく似合うんだねー♪
- 156 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:37:59.40 ID:QsyxoDt20
- 兄「あうぅ……」
妹「おねえちゃん、覚悟を決めちゃわないと後が大変だよー?」
兄「こ、この格好で電車乗るのは無理。無理無理無理!」
妹「じゃあ歩く? 快速なら三十分もかからないけれど、歩きだと何時間かかるかわからないよ?」
兄「何時間もこの格好か、三十分弱の電車……あうぅううう……」
妹「決まった? じゃ、電車乗ろっか♪」
兄「ふぁい……」
- 157 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 02:41:34.86 ID:QsyxoDt20
- 妹「ラッシュってほどじゃあないけれど、思ったよりも混み合ってるね。おねえちゃん」
兄「う、うん……」
妹「痴漢が来たら黙ってちゃダメだよ? ちゃんとぐしゃーっとやらないと。ぐしゃーっと!」
兄「ぐ、ぐしゃ?」
妹「一撃にとどまらず、すばやく追撃を入れるの。多少のガードがあっても衝撃だけでダメージを食らうみたいだから行けるよ!」
兄「うん……?」
妹「おねえちゃん、返事は「はい」!」
兄「は、はいっ!」
- 162 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/03(木) 03:04:09.21 ID:QsyxoDt20
- 妹「もっとぎゅうぎゅうだと思ったけれど、すぐに座れてよかったね♪」
兄「周囲から避けられていたような……ううぅ、やっぱり変な格好なんだぁ……」
妹「そうかなぁ、可愛いと思うんだけど……」
兄「だって、明らかにみんな避けてるんだよ! 変だったんだって!」
妹「うーん……じゃあ、おねえちゃんのために、着替えるチャンスをあげます」
兄「ほ、本当っ!?」
妹「イモウトウソツカナイ」
兄「やったぁ♪」
妹「……嘘はつかないけど、だましはする」
『妹に胸がない3』へ続く
- 1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 17:37:38.70 ID:kt993MxW0
- 妹「ううぅ、ぎゅうにゅうにも効果がないよぅ」
兄「ずいぶんと使い古された手だな」
妹「おにぃにはわからないよ! 貧しい胸部に悩める女の子の気持ちなんて!」
兄「……まあ、わからんな」
妹「なんでおにぃは巨乳なのに私は貧乳なのよー!」
兄「知らん、つか揉むな!」
- 2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 17:38:06.69 ID:kt993MxW0
- 妹「育てー育てー」
兄「何やってんだ?」
妹「大胸筋とれーにんぐ。こう、手を合わせて……筋肉をうりゃーってやって、鍛えるの」
兄「うりゃーってですか」
妹「うりゃーってです」
兄「そんなんで効果あるんかねぇ」
妹「あ、おにぃはやっちゃダメ! 私との差が広がる!」
兄「やらんわ!」
- 4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 17:38:48.04 ID:kt993MxW0
- 妹「働けど、我がおっぱい巨大にならざり、じっと胸を見る」
兄「巨大というか、普通ラインすら遠い感じだな」
妹「むぅ……おにぃは巨乳なのにぃ」
兄「いうな」
妹「でも、おにぃが巨乳なら、同じ遺伝子のつながりがある私もきっと!」
兄「母さんぺったんこだったんだよな」
妹「……き、きっと!」
- 6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 17:41:45.07 ID:kt993MxW0
- 妹「胸差社会が深刻化している……」
兄「なんだその奇天烈な社会は。ってか揉むなというに」
妹「いいなー、おにぃは。なんでこんなにいっぱいあるのー?」
兄「だーかーらー、揉むなー!」
妹「むぅ、こういうときはちょこっとくらいもだえてみせるものじゃないの?」
兄「お前は兄に何を期待しているのだ?」
妹「私におっぱいのお恵みを!」
兄「できんわ!」
兄「……危なかった」
- 8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 17:43:54.42 ID:kt993MxW0
- 妹「ぷーるの季節だぁー……」
兄「だぁー……」
妹「暗いね、おにぃ……」
兄「お前こそ……」
妹「ぺったんこが見られる……憂鬱だ……」
兄「回りみんなが泳いでるのにひとり見学……憂鬱だ……」
兄・妹「「はぁ……」」
- 10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 17:47:05.95 ID:kt993MxW0
- 妹「……ねぇ、おにぃ」
兄「なんだ?」
妹「おにぃって声高いよね」
兄「そうか?」
妹「あと、ウェストも細いよね」
兄「んー、どうなんだろ?」
妹「肌も白いよね」
兄「日焼けすると真っ赤になるから肌のケアをしてるだけだ」
妹「……おねーちゃん?」
兄「ちょっと正座しろ」
妹「ごめん、おにぃ。マジな顔やめてぷりーず」
- 15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 17:51:51.34 ID:kt993MxW0
- 妹「おにぃおにぃ」
兄「なんじゃい、我が妹よ」
妹「どうやってそんなにおっぱい大きくしたの?」
兄「もう一回正座するか?」
妹「訂正。私と違うことって何かしたっけ?」
兄「んー……運動は好きだったなぁ」
妹「元野球部員ー」
兄「うむ。野球は好きだったなぁ、本当に」
妹「なんで辞めちゃったんだっけ?」
兄「……」
妹「?」
兄「大きくなるとな」
妹「うん?」
兄「走ったり跳ねたりするだけでも結構な負担になるんだ」
妹「えっと、ここで私は怒るべき? 泣くべき?」
兄「俺が泣きたい」
- 17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 17:54:29.62 ID:kt993MxW0
- 妹「おにぃ、おにぃ。育ったよー」
兄「おお、これは見事に」
妹「たわわに実りました」
兄「収穫じゃ収穫じゃ」
妹「え?」
兄「メス」
妹「きゃー」
妹「――という夢を見ました」
兄「なぜ報告する」
- 19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 17:58:19.08 ID:kt993MxW0
- 兄「……うー」
妹「どうしたの?」
兄「入りきらない……」
妹「ウェスト? そういえば、最近おにぃよく食べてるよね」
兄「体重が増えたから、もしやとは思ったんだが」
妹「まあしかたないよぉ。私もちょっと太っちゃったから一緒にダイエットしよ?」
兄「いや、ブラジャーが」
妹「その脂肪の塊が痩せ細るまで走れ走れ走れぇええええええええええええ!」
兄「ぎゃあああああああ」
- 21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:02:21.00 ID:kt993MxW0
- 兄「ふはー」
妹「おにぃ、気持ちはわかるけど、帰ってきてすぐに靴下ぽいぽい脱ぎ捨てるのはやめてよぉ」
兄「あー、すまんすまん」
妹「まったくもう……」
兄「ぶはー……苦しかった」
妹「さらし脱ぎ捨てるな!」
兄「あー、すまんすまん」
妹「まったくもう!」
- 22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:05:01.44 ID:kt993MxW0
- 兄「危なかった……本気で危なかった……」
妹「ど、どうしたの?」
兄「授業中にさらしが」
妹「とれちゃったの!?」
兄「いや、弾けて」
妹「……怒っていい? 泣いていい?」
兄「いやいやいや、俺だって大変だったんだから!」
- 23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:08:14.35 ID:kt993MxW0
- 妹「うんにゃらーほんにゃらー」
兄「……何やってんだ?」
妹「えと、私のおっぱいを膨らませる儀式?」
兄「なぜ語尾が疑問系!?」
妹「まあまあ、気にせずに」
兄「それは百八十歩くらい譲ってよしとするが――なんで俺は魔法陣の中央で縛られてるんだ?」
妹「うにゃうにゃーほにゃほにゃー」
兄「回答拒否っ!?」
- 24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:11:44.55 ID:kt993MxW0
- 妹「出てこない……」
兄「何が!?」
妹「やっぱり術式が間違ってたのかなぁ」
兄「そんな怪しいものに俺を使うなぁあああ!」
妹「あ! おにぃ、もしかして処女じゃないとか!?」
兄「ちょっとそこを動くな。超大作映画並の説教をする」
妹「た、短編小説くらいで……」
兄「却下」
妹「ひーん!」
- 25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:15:09.88 ID:kt993MxW0
- 妹「おっはよー!」
兄「……はよ」
妹「今日もいい朝だねー!」
兄「……眠い、寝る」
妹「ヘイ、そこの低血圧ブラザーちょっとウェイト」
兄「……何?」
妹「二音以上続けてしゃべろうぜ、ブラザー。あと、今日はデパート行くっていったじゃない」
兄「……パス」
妹「寝るなぁああああああ」
- 26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:17:53.02 ID:kt993MxW0
- 妹「はい、ご飯食べて」
兄「もぐもぐ……」
妹「はい、歯を磨いて」
兄「しゃこしゃこ……」
妹「はい、着替えて」
兄「もぞもぞ……」
妹「はい、これ被って」
兄「……何、これ?」
妹「ちっ、覚醒が早い!」
兄「え? ……ってなんじゃこの格好はぁああああああああ!?」
妹「『姉妹そろっておでかけ作戦』失敗! 撤収!」
- 28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:23:46.63 ID:kt993MxW0
- 兄「油断も隙もあったもんじゃないな」
妹「ごめんなさいませ、お兄様」
兄「ほれ、さっさと買いに行くぞ」
妹「おにぃはどうするの?」
兄「俺? 適当に見繕うよ?」
妹「そうじゃなくて、婦人ものいらないの?」
兄「……どういう意味で?」
妹「ぶらじゃーきついってもらしてたし」
兄「……また通販で済ますよ」
妹「それだと割高だし、あわないことも多いってもらしてたし」
兄「……よく覚えてるな」
妹「そりゃまあ仲良し兄妹ですから」
兄「で、どうしろと?」
妹「にひひー」
- 30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:29:11.96 ID:kt993MxW0
- 兄「ぼ、帽子ぐらい……」
妹「だーめ、ダメダメ。可愛いものはみんなで分かち合わないといけないって法律で定められてるんだから!」
兄「ないない、そんな悪法ない!」
妹「私憲法の第一条第一項ですでに確定済みです」
兄「俺憲法はそれを許さないと序文ですでに!」
妹「はいはい、いいからいいから」
兄「って、おい。なんだこのバッグ? 手から外れな……おいぃいいいいい!?」
妹「れっつごー!」
兄「待てぇええええええ!」
- 32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:31:48.76 ID:kt993MxW0
- 妹「ほら、そんなに下向いてると変だよー?」
兄「だ、だって……」
妹「これから電車に乗るんだよ? 酔っちゃうよ?」
兄「ん、んなこといわれても……」
妹「もー、覇気がないなぁ。もっと堂々とすべきだよ、このおっぱいみたいに!」
兄「ひゃんっ!?」
妹「わ、可愛い」
兄「帰る。帰る帰る帰らせてぇえええええ!」
妹「はいはい、強制連行強制連行」
- 34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:35:32.17 ID:kt993MxW0
- 妹「とうちゃーく! ……予定の三十分遅れで」
兄「だ、だってだってだって!」
妹「あーはいはい、そんな物陰にいると返って目立つからこっちおいでー」
兄「ううぅ……」
妹「うーん、格好を整えただけでここまでおにぃの反応が可愛くなるとは正直私、想定外です」
兄「なら帰ろうよぉ」
妹「却下です。さあ、めくるめく婦人服の世界へ!」
兄「いーやーだー!」
- 36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:38:55.93 ID:kt993MxW0
- 妹「はろー。うん、今日はおねえちゃん連れてきたんだ」
兄「ど、どうも……」
妹「あー、うんうん。でかいでしょー、ホント何を食べたらこうなるのやら……」
兄「ほとんどお前と同じだろ……」
妹「じゃ、そういうわけでちゃちゃっと測っちゃって」
兄「よ、よろしくお願いしますぅ……」
妹「うーん、本気で可愛いなぁ」
- 37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:41:08.48 ID:kt993MxW0
- 妹「で、どうだって?」
兄「ノーコメント……」
妹「せめてカップだけでも!」
兄「ノーコメント!」
妹「おに……おねえちゃんはつれないなぁ、もう」
兄「さっさとお前も選んで来いよ……ううぅ」
妹「はいはーい、行ってきまーす」
兄「で?」
妹「ノーコメントでお願いします……」
- 39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:44:16.80 ID:kt993MxW0
- 兄「あー、悔しいけどめちゃくちゃ楽だ」
妹「でしょー。いや、私はあんまり実感できないけどさ」
兄「なんか、体全体軽くなったような感じだよ!」
妹「うんうん、よかったよかった」
兄「ちょっとバッティングセンターにでもよっていかないか!?」
妹「おにぃ、格好考えて格好」
- 40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:47:42.74 ID:kt993MxW0
- 兄「映画なんていつでも観れるだろー?」
妹「まあまあ、そういわずに」
兄「まったく……じゃあ『まあこれでもとっとけハム次郎~煉獄編~』を観るか」
妹「え?」
兄「どうした? 行くぞ?」
妹「いや、私はこの『愛しすぎて暑苦しい』ってラブロマンスを観たくて……」
兄「チケット買ったぞー」
妹「早っ!?」
- 41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:53:34.51 ID:kt993MxW0
- 兄「うーん、名作だったなぁ」
妹「……まあ、面白かったけどさ」
兄「ハム六郎がハム五郎の手を借りてまさかの展開、しかしそれを許さない敵の軍団の猛攻に、ハム十八郎が必殺技を繰り出す――次回作も期待できるいい作りだった」
妹「……へぇ、そお」
兄「惜しむらくは序盤のわかりにくさだな。ぱっと見ただけでも五個は伏線があった。しかし、後々の動きをみると終盤に持ってきた方がいいのも多かった」
妹「……それはそれは」
兄「あれ? もうこんな時間か。映画が長かったのかな?」
妹「……おにぃが喫茶店に入ってからずっとしゃべってたせいだと思う」
兄「あっちのカップルもハム次郎談義か、いやはや名作は語るべき部分が多いってことだな」
妹「……物好きがまだいたか」
- 47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:58:14.70 ID:kt993MxW0
- レスがないとぶっちゃけどうしていいものか困るんだw
なんかお題があれば応えられるものは順次消化するよー
- 48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 18:58:57.11 ID:UAzLHq3u0
- 買い物の次は海だろう
- 50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:02:17.10 ID:kt993MxW0
- 兄「やれやれ、なんか疲れたよ」
妹「おにぃ、ごくろー」
兄「意外とばれないもんだな、この格好でも」
妹「自信ついた?」
兄「つけていい自信なのか、それは?」
妹「でもぶらじゃーはいい感じなんでしょ?」
兄「ああ、これはいい。すっごく楽だ」
妹「感謝したまえー」
兄「感謝感謝」
妹「まあ、それだけのためにデパートに行ったわけじゃないんだけどねぇ」
- 51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:04:32.59 ID:kt993MxW0
- 妹「おにぃ、おはよー」
兄「ぐぅ……」
妹「せめて人間語をしゃべってぷりーず」
兄「むにゃ……?」
妹「さて問題です。ここはどこでしょう?」
兄「うにぃ……」
妹「惜しい! 正解は海でした!」
兄「……海ぃ!?」
妹「おにぃ、おはよー」
- 54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:09:34.55 ID:kt993MxW0
- 兄「な、なぜ目の前に大海原が……?」
妹「そりゃまあ連れてきたから」
兄「どうやって!? 俺、歩いた記憶も電車に乗った記憶もないぞ!」
妹「蛇の道は蛇と申しますか……」
兄「えええっ!?」
妹「まあともかく、海です。およごー!」
兄「却下ぁあああ!」
妹「なんで?」
兄「お、俺が着て泳げる水着なんてないし」
妹「ぬふふふ」
兄「気色悪い笑み!」
妹「失敬な。これを見よ!」
兄「……ビキニと腰布」
妹「パレオだよー」
兄「まさか、デパートでサイズ測ったときに?」
妹「勘のいい兄君が好きでござるー」
兄「帰る帰る帰る帰る帰る! 頼むから帰らせて!」
- 56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:13:10.81 ID:kt993MxW0
- 妹「どうやって帰るの?」
兄「そりゃ、来たように……」
妹「知らないんだよね?」
兄「じゃあ、電車に乗って……」
妹「お兄様のお財布はお持ちいたしませんでしたわ、おほほほほ!」
兄「……お金貸して♪」
妹「イヤ♪」
兄「助けてぇえええええええええええ!」
妹「ほれほれ観念せい、うひゃひゃひゃひゃ!」
- 57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:15:24.11 ID:kt993MxW0
- 兄「ううぅ……なんだって俺が女性水着なんか……」
妹「ちゃんと着れてるー?」
兄「着れてるからこっち来るな!」
妹「はーい」
兄「うー……絶対ばれるだろぉ……」
妹「まーだー?」
兄「今行くからこっち来るなよ!」
- 59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:18:59.47 ID:kt993MxW0
- 妹「……」
兄「や、やっぱ似合わないよな?」
妹「……ぃ」
兄「き、着替えてくる! 帰るまで荷物番して――」
妹「イイ!」
兄「え?」
妹「イイ! イイ! すごくイイ! すっごくイイ! おにぃ、可愛い! すごい! むちゃくちゃすごい!」
兄「わ、わかったから日本語しゃべれ」
妹「胸だけじゃなくてプロポーションもいいと読んでたけれど、まさかここまでとは……」
兄「じ、じろじろ見るな!」
妹「私が男だったら、おにぃ襲われてるよ!?」
兄「俺は男だ!」
- 61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:22:16.66 ID:kt993MxW0
- 妹「まあ、あんまりひとの来ない浜だから、おにぃが心配するほど人目にはつかないよ」
兄「ほ、本当だな? 絶対に絶対に本当だな!?」
妹「……少なくとも環境としては、申し分ないかと」
兄「環境としては?」
妹「……うーん、自分の容姿に自覚がないというのも困りものだなぁ」
兄「?」
- 63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:24:25.64 ID:kt993MxW0
- 兄「ところで、お前――」
妹「おお、気がついてくれましたか兄上! そうです、そうなのです! 私、なんと胸が大きく――」
兄「――パッド入り水着もそのときに買ったのか?」
妹「……おにぃ」
兄「ん?」
妹「置いて帰っていい?」
兄「なんでっ!?」
- 69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:28:06.17 ID:kt993MxW0
- 妹「えーと」
兄「ああ」
妹「本来は、この後スイカ割りを楽しんで、このイルカさんに揺られて小一時間海の上でおにぃとのんびりすごす予定だったのですが」
兄「そうか」
妹「悪い虫だらけですねぇ」
兄「なあ、殴っていいか? 殴っていいか、次来たら?」
妹「おにぃ、どうどう」
兄「がるるるるる!」
- 73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:34:05.14 ID:kt993MxW0
- 兄「思うにだな、波打ち際だからいけないんだ」
妹「……泳げるの?」
兄「ふっ、若いころは『頭の上に皿を載せた緑色の生き物』と称された俺をなめてもらっちゃあ困るね!」
妹「遠回しだなぁ」
兄「行くぞ! ――ぶくぶくぶくぶく、ぶはぁ!?」
妹「一瞬でおぼれた!?」
兄「なんだこの水は! しょっぱいぞ!?」
妹「おにぃ、混乱してる混乱してる」
兄「シェフを呼べ、もっと甘くしろ!」
妹「おにぃ、シェフいないシェフいない」
- 77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:39:36.87 ID:kt993MxW0
- 妹「楽しかったねー♪」
兄「疲れた……」
妹「また来ようよ!」
兄「男のいる海水浴場は二度とごめんだ……」
妹「あはは、じゃ、これに乗って」
兄「ん? なんだ?」
妹「自転車」
兄「……うそだろ?」
妹「おにぃ、本当に一回も起きてなかったの?」
兄「これ、俺を後ろに乗せて漕いで来た、と?」
妹「途中、寝ぼけながら交代してくれたよー」
兄「人間ってすげぇ!」
- 78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:42:25.70 ID:kt993MxW0
- 兄「うううううううううううぅ」
妹「たまには違う音も発した方がいいよー」
兄「いたひ……」
妹「見事に真っ赤になったねぇ、おにぃ」
兄「お前、日焼け止めなしで大丈夫なのか?」
妹「私の肌は健康小麦色なのさ!」
兄「うううううううううううぅ」
妹「合掌」
- 79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:43:14.46 ID:kt993MxW0
- お題消化完了。
結構長かったなw
- 80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:45:50.74 ID:yc9krhkm0
- 乙
じゃあ次は学校生活書いてー
- 82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:47:19.51 ID:kt993MxW0
- >>80
考慮しよう。
- 81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:47:01.14 ID:kt993MxW0
- 妹「おにぃってさー」
兄「何だ?」
妹「ほんっと肌白だよねー」
兄「今はまだ赤いけどな」
妹「うらやましいなぁ」
兄「そうかぁ?」
妹「まっちろですべすべーってしてて、こーんなおっぱい大きい女の子、誰もほっとかないよ?」
兄「俺は男だというに」
妹「そうだよねぇ、もったいないなぁ……」
兄「もったいなくないから」
- 83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:50:27.02 ID:kt993MxW0
- 妹「こんなに可愛いのに誰も狙わないなんてホントもったいない……」
兄「繰り返すが、俺は男だ」
妹「おにぃは好きなひといないの? 男子限定で」
兄「限定解除を。限定解除を希望します!」
妹「解除したらいるの?」
兄「……いない」
妹「そっかー……ならいいや」
兄「ふーん」
妹「明日はまた月曜日。一週間がんばろー!」
兄「うぇーい」
- 84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/02(水) 19:54:45.69 ID:kt993MxW0
- 妹「朝だよー!」
兄「あい……」
妹「ほらほら、起きて起きて」
兄「うん……」
妹「はい、さらし。制服はそっち、ハンカチ忘れないでね?」
兄「へい……」
妹「ストップおにぃ! それ、私の制服」
兄「おぁ……?」
妹「あー、土日で女装に免疫ができてしまったかー」
兄「うぇああああああああ!?」
妹「おはよう」
兄「おはよう……」
妹「今日も可愛いよ♪」
兄「寝起きで恋人に話しかける男かお前は」
『妹に胸がない2』へ続く
